「腹水は全量抜くと元気になれる!」 ~KM-CART(ケー・エム・カート)によるあきらめない癌治療~
松﨑圭祐先生 2017.1.28
癌の進行期には大量の腹水がたまり、強い腹部膨満感や呼吸苦などを生じて患者さんの状態を急速に悪化させます。その結果、抗癌治療の中止だけでなく、患者さんの生きる希望も奪ってしまいます。しかも、『腹水は抜くと弱る』、『腹水は一度に3リットル以上抜くのは危険』が医療界の常識であり、多くの患者さんが苦しんでいるのが現状です。
私は20リットル以上の癌性腹水も短時間で安全に処理可能なKM-CARTシステムを活用し、積極的に症状緩和に努めています。腹水の全量ドレナージ+KM-CARTによる迅速な症状緩和と全身状態の回復により、抗癌剤投与が再開できて腹水がたまらなくなった患者さんや長期の在宅療養につながった患者さんを経験しています。
2009年2月から2016年10月のKM-CART症例は膵癌541例、卵巣癌524例、胃癌488例、大腸癌396例など計3407例です。腹水は平均6.5L、最大27.0Lと可能な限り抜水し、平均65分で平均550mlの濃縮蛋白液を作成し、点滴静注しました。施行前後で腹部膨満感や嘔気、呼吸苦などの身体症状、不安、失望感などの精神症状の全10項目、下肢浮腫も有意に改善しました。全身状態、闘病意欲の回復により長期の在宅移行や抗癌治療の再開が可能となり、趣味のゴルフやダンス、旅行が可能になった患者さんもいます。また反復施行により、腫瘍マーカーが低下した卵巣癌患者さんも経験しており、症状緩和だけでなく癌治療にもなります。
患者さんに強い苦痛を生じる大量腹水に対して、積極的にKM-CARTを施行して症状緩和を図り、“生きる希望”を持てるようにKM-CARTの早期普及に努めています。皆さんにも腹水に効果的な治療法があることを知っていただければ幸いです。
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